実行環境

83. 通貨記号の話

通貨記号とは文字通り、通貨、つまり貨幣の種類を表す記号であり、日本では「\」マークである。
米国での通貨記号は「$」である。このことは日本人である限り誰もが知っていることであるが
「通貨記号」としての「\」は、半角カナ、漢字、英小文字、英大文字とは別の意味を持っている。
「\」は、数多くある文字のうちのひとつに過ぎないのではない。
「\」は通貨記号という特殊な文字である。

IBM のコンピュータを古くから良く知っている人は、文字「\」は、印刷出力すると「$」として
印刷されてしまうことはご存知だろう。
これは「\」が通貨記号であり EBCDIC での通貨記号 \ は 0x5b である。
日本語環境で言えば CCSID 5026 で入力された \ だけが 0x5b であり、他の CCSID 環境、例えば
CCSID 5035 での \ は 0xb0 であり、これは通貨記号としての \ ではない。

正しい EBCDIC の通貨記号

ということを特約店のSE も正しく認識しいおいて欲しい。

【 Windows の区切り記号】

参考までに Windows で表現する「C:\Panel-Worker Chicago\private」のようなパスの区切りとしての
「\」は通貨記号としての \ マークではない。
これは正しくは キー・ポードの \ (キー・ボードの右下の「ろ」のキーのバック・スラッシュ)であり、
Windows で使うエスケープ・シーケンス記号も \ ではなく、バックスラッシュが正しい。

keyboard

これは偶然、日本語環境ではバック・スラッシュのキーに \ 記号が割り当てられているに
過ぎないのである。
試しにキー・ボードの「ろ」の文字キーを半角で打鍵してもらいたい。
「\」の文字がディスブレイに表示されて驚くかもしれない。
多くの Windowsユーザーは 区切り記号としての \ をキー・ボードの右上にある「\」を
押して使っているが、正しくはバックスラッシュを押すのが正しいのである。
英語のWindows環境を操作する機会があれば覚えておくと役に立つだろう。