OS/400のインターフェースを構成しているオブジェクトとは何であろう。
ユーザープログラムで DSPF で開発された画面アプリケーション に比べて
OS/400 のユーティリティー画面はバランスも統一されていてパフォーマンスも
ユーザー画面より優れている。
これらのほとんどは 「パネル・グループ」と呼ばれるオブジェクトで構成されている。
パネル・グループについては、知らなくてもWRKOUTQ の画面は毎日のように
ご覧になっているだろう。
WRKOUTQ, WRKACTJOB, ... OS/400の画面や印刷のインターフェースのほとんどが、
パネル・グループである。メニューもパネル・グループである。
「AS/400摘要業務画面プログラミング」を見てほしい。
第2部 表示装置ファイル以外はヘルプも含めて、パネル・グループの解説が大半を占めている。
それでは、なぜ OS/400 は DSPF でなくパネル・グループによって開発されたのだろうか?
パネル・グループには次の特徴がある。
画面 DDS を使用する場合は、恐らく 1本のプログラムがそれを処理しているはずである。
ところがバネル・グループを処理するには、複数のプログラムが必要になる。
そんな面倒な、と思うかも知れないが、例えば「F21=すべての選択」 というオプションがある。
DFUにもあるし、QUERY にも用意されている。すべてのアプリケーション のこのオプションを
処理するのは、同じ1本のプログラムである。
すなわち 1本の 「F21=すべての選択」 を処理するプログラムを開発すれば、
どのような新しいアプリケーション を作成しても F21の処理を改めて開発する必要はないし、
既に十分テスト済みのF21 のプログラムを再利用できるわけである。
さらに操作面ではユーザーが F21キーを押して初めてこのプログラムが起動される
完全なイベント・トリガー的な体系で処理されるので初期プログラム・サイズは、
最初のパネル・グループを表示するだけのきわめて小さなものにできるので、
起動時のパフォーマンスが良くなるのは当然である。
見てきたようにパネル・グループは良いことづくめにも思えるが、
大規模な アプリケーション 開発や変更が予想されるパッケージ開発を予定しているのであれば
パネル・グループによる開発に挑戦して欲しい。
弊社の製品「PANEL-WORKER」は Query や DFUと同じ操作で項目を選択するだけで画面や
ポップアップ・ウインドウ、印刷帳票などを生成できるツールであり、パネル・グループの性格を
最大限に発揮している。