独自色を出すのもいいのだがマニュアルもあまり読まずに
これでできるからこれでいいや、という独りよがりな
RPGプログラムの極め付けをふたつ紹介しよう。
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■ これが我が家のポップアップ・ウィンドウ
AutoWebのまだ創生期というか発売前のことである。
あるソフト会社が開発したポップアップ・ウィンドウがAutoWebでポップアップ表示されないと
いうので訪問したことがある。
AutoWebではRPGで作成したポップアップ・ウィンドウもPOPUPウィンドウとして
表示されるのが仕様である。
他社Web化製品ではポップアップ表示しても5250エミュレータのように画面に
張り付いたままでマウスでドラッグすることはできない。
ところがAutoWebではちゃんとWindowsのPOPUPのようにポップアップ表示されるのが
仕様である。
ただしPOPUPレコードはWINDOWキー・ワードが定義されている必要がある。
そのソフト会社が作ったポップアップ・ウィンドウはAutoWebではポップアップ表示されないと
いうのである。
そこでそのソフト会社に訪問してみるとそのソフト会社の作りは次のようであった。
① 基盤となる画面は通常どおりに作成
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② POPUPというのは背景も含めてPOPUPが表示されているイメージ全体をDDSで作成する
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おわかりだろうか? POPUPが表示されている背景も含めてPOPUPの矩形も描いて
女性SEが「これをうちではポップアップと呼んでいます」と胸を張った。
つまりPOPUPが表示されているイメージ全体をDDSで作ってそれをPOPUPと称しているのである。
POPUPが表示されているような風景全体をすべてDDSで作ってしまったというわけである。
もちろん「これはポップアップとは言いません。」と言下に否定したのだが
少しマニュアルを調べればわかるものを自己流でやってしまっているのだろう。
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ソフト会社の人は自省してもらいたいのだが成長が止まっている場合が
多い。それは社内の情報システム室であれば教育を受ける機会も多いし
社内で開発を急がされることもないがソフト会社ではつねに開発して
いなければならず学習機会に恵まれないということがある。
次もソフト会社の事例である。
■ これがうちのエラー・メッセージ
ある地方のソフト開発会社の事例であるがAutoWebの初期のころで
エラー・メッセージがAlert出力されないということであった。
AutoWebではSFLMSGキー・ワードやERRMSGキー・ワードで出力された
エラー・メッセージはJavaScriptのAlertとして出力されることが
仕様である。
これも現地で調べてみると24行目に反転イメージでフィールドを
出力しているだけの代物であってエラー・メッセージではなかった。
ERRMSGキー・ワードくらい読めよと言いたい。
しかしこの会社も「これが、うちのエラー・メッセージです」と
言うばかりなので対応してないとキッパリ告げた。
READCを知らないと言ったのはこの会社の元SEである。
しばらくしてわかったのはこのソフト会社の中心として活動している
SEは「実はRPG IIIしか知らないんです」と告げたので驚いた。
この会社はソフト開発はもうあまりやっていないようである。
紹介した両者ともにマニュアルを全く読んでいないことに起因している誤まりである。
こういう機能はないのか?とかこんな書き方では不便だと感じたら面倒がらずに
ぜひ解説書とプログマーの手引きを読んで欲しい。
解説書には文法ばかりがくわしく書かれているがプログラマーの手引きには
使い方のテクニックやサンプル・ソースが書かれていてわかりやすいはずである。