ネットワーク・プリンタとは複合機を含むLAN上に接続されている
ASCII印刷プリンタのことです。
平たく言えば一般の市販プリンタと思って頂ければよろしいでしょう。
このネットワーク・プリンタへはどのように印刷すれば
よいでしょうか?
家庭用のPCに接続されている年賀状などの印刷プリンタは別として
ほとんどの市販プリンタは LPR/LPDというUNIXの印刷用のプロトコルに
対応しています。
LPR(=Line Printer Daemon Protocol)は印刷要求を出す側で
LPD(=Line Printer Daemon)とは印刷要求を受けるサーバー側です。
つまりLPDが搭載されているプリンタは電源を上げるだけで
LPDサーバーが起動されて待機しています。
特別にLPDを起動する操作は必要ありません。
複合機の場合もLPDは起動していることが基本ですが
複合機やプリンタの取扱説明書でもそのことは明示的に
説明されていない場合が多いのです。
それほどプリンタにとってはLPDが起動しているのは当たり前のことです。
LPRを利用を利用すると
IBM iから直接プリンタに印刷することができます。
そして
プリンタ・セッションが不要になります。
このことがLPR印刷の最も大きな利点です。
SpoolライターVer5.0でも LPRメニューが用意されています。
PRINT LPR 印刷メニュー システム : 次の中から1つを選んでください。 LPR コマンド 1. LPR 印刷 ( プリンターへの直接印刷 ) LPR LPR 印刷装置の作成または削除 11. LPR 印刷装置の作成 CRTDEVLPR 12. 表示 DSPDEVD 13. LPR 印刷装置のオンへの構成変更 WRKCFGSTS 14. LPR 印刷装置の削除 DLTDEVD 15. SPOOL ライター・ログの開始 STRSPLLOG 16. ログの終了 ENDSPLLOG OUTQ 一覧にライターを関連づけます。 21. 書出しプログラム処理 WRKWTR 22. すべての出力待ち行列の処理 WRKOUTQ 23. 印刷装置書出し PGM 開始 STRPRTWTR 24. 停止 ENDWTR IPP プリンター関連 31. IPP 印刷 ( プリンターへの直接印刷 ) IPP 32. プリンター PORT の検査 CHKDEVPOT 33. IPP 印刷装置の作成 CRTDEVIPP 34. 表示 DSPDEVD 35. IPP 印刷装置のオンへの構成変更 WRKCFGSTS 36. IPP 印刷装置の削除 DLTDEVD ORCA IPP 印刷モジュール 41. ORCA 印刷装置の作成 CRTDEVORC 42. 表示 DSPDEVD 43. ORCA 印刷装置のオンへの構成変更 WRKCFGSTS 44. ORCA 印刷装置の削除 DLTDEVD すべてのネットワーク・プリンターの管理 51. ネットワーク・プリンターの処理 WRKNETWTR モバイル印刷 61. MOBILE 印刷装置の作成 CRTDEVMBL 62. MOBILE 待ち行列のクリヤー CLRUSRQ 選択項目またはコマンド ===> F3= 終了 F4= プロンプト F5= 印刷装置の処理 F6= メッセージ F9= コマンドの複写 F10= コマンド入力 F12= 取消し F13= 印刷制御
[解説]
SpoolライターVer5.0では LPRに関する機能がご覧のように豊富に用意されています。
1.LPR 印刷 ( プリンターへの直接印刷 )
文字通りLPRコマンドでネットワーク・プリンタへ印刷するためのコマンドです。
■ LPR印刷装置の作成
LPR印刷のための装置を作成することができます。
IBM iにはない機能です。
LPR印刷装置にLPRドライバを組み込んだ印刷装置を作成できますので
OUTQに投入されたスプールを自動的に連続してLPR印刷することが
できます。
他社製品でもLPRで直接印刷ができます、と唄っているものも
ありますがIBM iのLPRを利用しているだけで
印刷ドライバはありません。
LPR印刷ドライバがあるのはSpoolライターVer5.0だけです。
■ OUTQ との関連づけ
OUTQ とLPR印刷装置とを関連づけておけばOUTQにスプールを
投入するだけで印刷は自動的に連続してネットワーク・プリンタで
印刷することができます。
■ IPP印刷
後でくわしく説明しますがLPR印刷はUNIX系の基本的な印刷プロトコルですが
用紙サイズや印刷方向、トレイの選択などの高度な要求はできません。
そのような細かな印刷指示にはIPPという印刷プロトコルが必要です。
複合機や機能豊かな高度なプリンタに印刷するのであれば
むしろIPPプロトコルによる印刷が最適になります。
IBM i5/OSでは IPP印刷をサポートする機能はありませんが
SpoolライターVer5.0では IPP印刷もサポートしています。
もちろん製品としてIPPプロトコルをIBM iでサポートしているのも
SpoolライターVer5.0だけです。
■モバイル印刷
最近ではモバイル端末からの印刷も必要となってきました。
営業マンが客先で出向いて客先でも見積書を印刷する必要があるからです。
モバイル印刷はAirPrintと呼ばれる無線による印刷が主流ですが
これはIPPプロトコルによる印刷です。
SpoolライターVer5.0ではIPP印刷をサポートしていますので
モバイル印刷も可能となります。
IBM iからモバイル印刷が可能な製品はSpoolライターVer5.0だけです。