先日、デザイン会社のある若い社長さまが
弊社を訪問されその打ち合わせの中で
出てきた印象深い言葉として
「今のインターネット社会ではすべての情報を
できるだけ公開してその上でお客さまに
評価して頂く時代である」と言われました。
IT業界においては昔は自社の技術はもちろん
あらゆる情報は機密保護扱いとされ
自社のノウハウは盗まれないように隠蔽するものでした。
IBMもマニュアル等のユーザーへの情報であっても
競合他社に見られないように厳重に隠蔽していました。
しかしインターネット社会になってからは
マニュアルやAPIもインターネットで公開され
ユーザーでなくても誰もが自由に閲覧できるように
しています。
Microsoftの仕様もネットで公開しているので
誰もが自由に新しい技術を開発することができるようになっています。
このような技術情報公開が自由な競争を育み
ひいては業界を発展させることになるのです。
弊社製品の仕様やマニュアルもインターネットですべて
公開していてユーザーでなくても詳細な仕様や
製品の方法までをもすべて公開しています。
さらにはまだ製品にはなっていない新しい技術であっても
積極的に技術公開をしています。
その処理構造ですら公開しているのです。
これはIBMユーザーのレベル・アップを助けるとともに
自社では技術を公開したとしても自社ではさらに高みを
目指して新たな技術の開発を行う自負があるからです。
もう10年以上前になりますがある別製品と競合しているときに
弊社製品と比較検討していたあるお客さまは
その競合製品のほうを「詳しく情報を公開しているから」と
評価されました。
その製品は特に技術仕様を公開しているわけではなかったのですが
サンプル事例が豊富でした。
結局、そのお客さまは弊社製品を採用され今でも弊社製品を
活用し続けて頂いています。
一方、その競合相手はそのサイトであるお客さまの質問に対して
「これは当社のノウハウですから(笑)」と言って説明を
しませんでした。
つまり情報公開には否定的な会社であったのです。
それを聞いて私は嫌な気持ちになりました。
わずかな知識を自社のノウハウであると自慢するとは
何と狭い心の会社かと思いました。
その会社のホーム・ページはその当時からもほとんど変わることなく
ホーム・ページに追記があるのは数年に一度くらいという
いわば休眠状態に陥っています。
IBMの業界ではこのように情報公開には否定的で製品の値段の
公開もほとんどありません。
どころか製品そのものも説明もあまりなく
くわしく知るには連絡の上、説明を受けてくださいと
いうのがほとんどです。
この体質はあまりにも古すぎるのではないでしょうか?
どうも競合会社に自社の製品の内容を知られるのを
極度に恐れているようなのです。
このように情報公開に否定的な会社がほとんどですが
製品を使用したお客さまから情報は入ってきますし
調査することもあります。
するとやはり多くの問題点があることがわかり
製品代金や保守料もかなり高額であることがわかってきます。
バグの多さやパフォーマンスも悪さも耳にします。
だから知られたくないのでしょう。
情報公開に否定的なベンダーは自社の販売する製品の機能や
詳細、欠陥も知られたくないように見えます。
徹底的に秘密主義であり知られるのを怖がっているのではないかと
さえ見えてきます。
自信がないのではないかとも思えてしまいます。
このような会社はひたすら「お客さま第一です」と唱えながらも
自社製品の機能や価格はひた隠しにしていて
知りたければお問合せくださいという姿勢です。
インターネットでもほとんどくわしく紹介されていません。
IBMユーザーであるお客さまはこのような秘密主義には
慣れているようですがこれからのオープンなインターネット社会で
健全な競争を目指すのであれば価格の公開はもちろんのこと
機能や処理の詳細までくわしくオープンに公開すべきであると
考えます。
このような秘密主義は今ではIBMの社会だけなのです。
健全な業界の発展のためには公正でオープンな
競争社会が望まれます。
それこそがお客さまの利益であり地道な正しい努力を積み重ねている
会社が正当に評価される業界になります。
今の秘密主義のIBMベンダーは自分たちの利益追求ばかりに終始している
ようにしか見えません。
お客さまの利益と言うのであれば価格も公開するはずです。
「私たちはIBMを続けます」と一生懸命に唱えても秘密主義の
ベンダーの姿勢では説得力はありません。
秘密主義のベンダーたちの姿勢は前時代的な古い体質そのものです。
今こそ健全な情報公開を私たちは求めています。
今は情報公開の時代なのです。