ここからは i5/OS の API の使用例を少しずつ紹介していこう。
i5/OS の API は古くは「 AS/400 システム API 解説書 」 として紹介されていたが
今では英文による解説しか公開されていない。
API ( = Application Program Interface ) は Windows や他のプラットフォームでも公開されている。
API とは、要はOS の開発元が使用しているプログラムをユーザーでも使えるように機能を公開した
プログラム群のことである。
API は元々、OS のメーカーが使用していたプログラムであり、ユーザーが使うことを
目的に開発されたものではないので、機能の解説は公開されているものの
使用サンプルや使用例や説明は無いに等しい。
例えば IBM の API の解説書であっても各API の機能、パラメータや戻り値については
解説されているものの、使い方についてや意味の説明は、ほとんど皆無に近い。
API の解説書の対象読者は 「 経験豊かなアプリケーション・プログラマー 」 と書かれている。
中には QDFRTVFD や QDBRTVFD API のように、ひとつのAPI で解説が数十ページにわたるものも
あり、C言語のポインターによるキャストについての深い理解がないと扱えないような
難易度の高いものまである。
これらのAPI を理解すると、いかに DSPF や DB2/400 が構造化を深く考え抜いて作られたものかを
理解することができる。
しかも OS/400 では今や API の解説は、最近ではほとんどが英文で書かれている。
英文は苦手という人もまだまだ多いし、何より API のサンプル・ソースは少ないし
API の場合、実際にコーディングして試してみてわかるという部分が多い。
そこでこのシリーズでは i5/OS の具体的な使用例をできるだけ数多く紹介していこう。
API は難しいものであるというイメージではなく、API を今すぐ使える実践的なテクニックと
永年に渉って培った技術をできるだけ詳しく紹介するつもりである。
これを読んでいるユーザーも実際に API を試してみてマニュアルの解説には無かったことや
マニュアルどおりには動作しなくて困ったことのある人も少なくないはずである。
API は扱うのが不慣れな人にとっては難しいかも知れないが System i の開発者の
応用範囲を飛躍的に広げてくれることは間違いない。
ここでも API の基礎から順に説明 … と言うわけにはいかないが、その都度
マニュアルには書かれていない API の本当の意味と実践的な使い方について
解説を加えていくこととする。
API はきっとあなたの世界を広げてくれるはずだ。