今、IBM ACS(=Access Client Solition)というエミュレータを廃止したいとという
流れが静かに全国で進行している。
IBM系列の特約店はACSの良さをアピールしようとやっきであるが
肝心のIBMユーザーのACS離れは止まらない。
IBM ACSは前身であるClientAccessがWindowsバージョンに追随するのに
嫌気がさしたIBMがそれならばということで
Javaで開発したエミュレータがACSである。
しかしここにきて
(1) エンド・ユーザーが古いイメージのACSを敬遠
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いかにも古臭い5250エミュレータではエンド・ユーザーのイメージは
悪く毎日の仕事に使うにはモチベーションがあがらない。
(2) 文字ベースではわかりにくい
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WindowsのGUIに慣れている現代の若い人にとって文字ベース(CUI)では
どのように操作してよいのか非常にわかりにくい。
GUIであればコンボボックスやラジオ・ボタンなどで
わかりやすいが文字ベースだと操作ガイドが必要である。
(3) 表示情報が少ない
何より表示されるている情報量が少なくてスクロールの必要がある。
大画面のWindowsに慣れている若い人にとって情報量でも
不足がちで見劣りがある。
(4) 画面遷移の問題が発生
サブ・メニューを選択すると前のメニュー画面は消えてしまい
またロール・アップしても以前の画面は消えてしまうという画面遷移の
問題が発生する。自分が今、どの位置にいるのかを頭の中でつねに
覚えておかなければならないストレスがつねに発生する。
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(5) Javaの導入が必要である
WindowsにはJavaが初めから導入されているわけではないので
ACSを使用するためにはWindowsにいちいちJavaの導入が必要である。
IBM は ORACLE Java 11 の導入を推薦しているが
これは有償である。
(6) Java の上位互換性の問題
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Javaはリリース以来これまでに上位互換ができない問題が度々発生してきている。
Java11 では有料問題も発生してIBMユーザーに不安が走った。
事実、i5/OS Ver7.2 で開発したJavaアプリケーションは Ver7.4では
動作しないという問題が既に発生している。
Windowsのバージョン・アッブである日突然ACSが動作しなくなる問題が
発生する可能性がありJavaには信頼が持てない。
ORACLEがGoogleと最高裁判所でモメているのも好印象ではない。
(7) Java有償化問題
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Javaが無料で使えるのは Java 8までである。
今ではJavaの利用は有償であるので台数分の対価をORACLEに
支払う必要がある。
(8)プリンター・セッションの動作が異なる
GDI印刷がJavaでは出来ず、Javaの仕組みで印刷している。
このため印刷結果が今までと変わってしまう。
(9)フォントなど見た目が異なる
ACSハリリース当初から印刷ができないなどのバグが多かったが
印刷の文字フォントが今までと異なって印象が良くない。
(10) Javaはもう古い言語に
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Javaは現代のオープン系の進化した開発言語に比べて古くて
冗長なコードをだらだらと書かねばならないことが多く
そのためオープン系でも古い言語として敬遠されており
例えばGoogleでも既にJavaアブリの開発は辞めて他言語で
開発している。
ORACLEのJava11有償化問題でJavaの人気は急速に衰えている。
(11) 複数セッションでは使えない
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現代のブラウザのほとんどはタブ・ブラウザであり
ACSもタブ化しているがそのためSocket通信がひとつしか
使えないので複数セッションを使うことができないという
実用上の致命的な問題を抱えている。
(12) データ転送の問題
データ転送の拡張子が変わるので、すべて再作成する必要があり
面倒である。またWindows11ではデータ転送が正しく稼働しないとの
情報があるらしい。
データ転送の問題を最大の要因としてACSを辞めるユーザーも多い。
(13) 遅い
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Javaのため起動が遅く高速化が迫られている現代には
向いていない。
Javaの場合はコンパイラー言語ではないので実行時にJVMがいちいち翻訳して機械語に変換しているので
実行が遅くなるのは当然である。
…以上のような理由からIBM ACS離れが急速に進んでいる。
見てきたようにあまりにも問題が多すぎるのである。
IBMがACSをJavaで開発したのはWindowsバージョンに左右されないようにとの
目的であったのだろうがそれはIBMの都合の話であって
Javaの有償化やJDKの導入の必要などIBMユーザーにはかえって負担がかかることに
なったことに嫌気がさしてACS離れを加速させたようである。
それだけでなくACSの品質の問題やJavaそのものに対する信頼性が最近では
失われつつある。
ビジネスとしてJavaを使うのには問題が多すぎるという印象は否めない。
ACSの欠点を無くしてGUI化Web化にはWebフェーシングとして
AutoWeb/2.0が注目されて問合せがまた増えてきている。
いずれもIBMユーザーに理由を尋ねると
・IBM ACSを廃止したい
・5250画面を拡大したい
というふたつの大きな理由があるようである。
ACSを使っていたのでは
お金もかかるし手間もかかる割には評判は良くない
という結果になってしまう。
これではほかの手段を探したくなるのも当然であろう。
後者の画面の拡大もAutoWebの5250ハンドラーで拡大可能である。
既に多くのIBMユーザーがAutoWebをエミュレータとして
活用しているが今後はIBM iの標準的なエミュレータとして
AutoWebが普及していくものと予想される。
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