先にMS-IEのサポートが終了したことをお知らせしましたが
これに関連して重要なことはWebフォントです。
Webフォントとは正式にはWOFF(=Web Open Font Format)という
インターネットでブラウザが参照するフォントのことです。
多くは外字の参照を意味しています。
■ Windowsの外字
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Windowsの外字は C:\Windows\Fonts\EUDC.EUF という名前の外字ファイルに
登録されています。
一方 IBM iの外字は QSYS/QIGC2424 または QSYS/QIGC3232 という名前の
*IGCTBL として登録されています。
IBM iで登録された外字をWindowsでも表示できるようにするには
これらのIBM i外字登録の漢字をWindowsの EUDC.EUF のフォーマットに
変換してダウンロードする必要があります。
これは現在、SpoolライターVer5.0でもサポートされています。
またSpoolライターVer5.0のPDF作成ではIBM iの外字はドット・イメージで画像として
PDFに埋め込まれますのでWindowsに外字登録がなくても外字を表示/印刷することができます。
IBM の外字イメージの読取りは比較的やさしいので経験の浅いソフト会社でも
扱うことができるくらいです。
■ Webフォント
ところがIE以外のブラウザのメーカーではWindowsの外字はMicrosoftしか参照することは
できません。さらにMicrosoftのEdge でもWindows外字を参照することはできなくなってしまいました。
しかもMS-IEのサポートは昨年2022年6月で終了していてMicrosoftからのセキュリティ保護のサービスは
もはやありません。
この対応策としてWebフォントというインターネットのための外字登録をする仕組みがあります。
WebサーバーはWebフォントをサーバー内部に用意してブラウザにこれを参照させるように
することができます。MicrosoftもEdgeでWindows外字をサポートしなくなったのは
この仕様に準拠しているものと思われます。
そこでIBM iとしては IBM i外字: QICG2424またはQIGC3232からWebフォントを生成する必要があります。
Webフォントの形式はW3C勧告で次のように仕様が決められています。
WOFFの W3C勧告の仕様 : WOFF File Format 1.0
㈱オフィスクアトロではこの仕様に準拠してIBM i 外字からWOFF Webフォントを生成するプログラムを
鋭意開発中でしたが今回、無事開発を完了致しました。
WebフォントはTrueTypeフォントと構造は良く似ておりヘッダー部分が異なるだけですが
TrueTypeフォントはAPPLE社が開発したもので莫大な構造を持っています。
そのため開発は容易ではありません。IBM IGCを読むのとし違ってTrueTypeフォントを生成するとなると
TrueTypeフォントの莫大な構造を英文マニュアルを読解して理解するだけでも
仕様書が48ページ以上になる莫大なものです。
次にWOFFフォントの仕様はさらに30ページ以上の仕様書が必要になります。
外字を必要とするのは漢字圏の国、つまり代表的なのは日本のはずですが
なぜか英文の仕様書しか公開されていません。
幸い㈱オフィスクアトロでは最近に日本語フォントの埋め込みで
フォントの生成は苦労して経験しています。
さらにSpoolライターVer6.0でIBM外字からWindows外字への変換も実績があります。
( しかしWindows外字への変換に比べると50倍以上の難しさがあります
しかしプロである以上そんな泣き言はお客さまには言えません。)
そこで短期間でのWebフォント開発が可能になりました。
最近では弊社社内でも相当に難易度の高い開発でも短期間でできてしまうことに
社内でも驚きの声が挙がっています。
これは難しい仕様の開発に挑戦しながら技術やソースの蓄積があるので
加速度的に開発が速くなっているものと思われます。
通常なら半年から一年はかかるような開発が半月程度でできてしまうのですから
開発している私たちも実は驚いています。
まだ3割程度の完成かと思っていたら明くる日には完成してしまうのですから
開発している自分自身も驚くばかりです。
さてそれはともかく
で既にお知らせしていますように無事完成して技術ショート・セミナーでの発表を控えています。
IBM iのユーザーであるお客さまはIBM外字のことは良く知られていますが
Webでの外字の運用となるとまだまだ知らない人が多いように思えます。
ぜひセミナーにご参加の上Webフォントについて学習してください。
Web化の最後の難関は外字でした。これでもうWeb化を阻害する要因はありません。
Web化のために24*80の画面サイズの制約を5250ハンドラーで真っ先に解決しました。
最後に残った問題が外字でしたがこれですべての問題は解決できたように思えます。
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