IFSのQNTCフォルダーは特別なフォルダーであって
他のWindowsの共有フォルダーにアクセスすることができると
このサイトの「14.QNTC で他のPCサーバーにアクセス」で紹介した。
しかし正しく設定していてもIBM iから社内のWindowsへアクセスできない場合がある。
WindowsにIBM iのユーザー、パスワードも英大文字でアカウントとして登録したのにである。
これには次のことも原因のひとつとして考えることができる。
同じくこのサイトの「29.Samba とは ?」で
説明したように QNTCの対Windowsへの通信プロトコルは SMB (=ServerMessageBlock) という
TCP/IP通信によって行われている。
ところが古いi5/OSのリリースではこのバージョンがSMB 1.0 である。
一方でSMB 1.0をサポートしているのはやはり古いWindowsである。
例えば i5/OS Ver6.1 でのQNTCは SMB 1.0であるが SMB 1.0で通信できるのはWindowsXP である。
しかし多くのWindowsでは SMB 2.0にバージョン・アップされているので
IBM i Ver6.1 ではWindows7 や Windows10にはアクセスすることはできない。
Windows7やWin10ではもはや SMB2.0である。
このように QNTCからWindowsサーバーへのアクセスにはSMBバージョンの一致
(これを直接調べることはできない)を検討して頂きたい。
古いバージョンのIBM iには古いWindowsしか通信できない。
逆に新しいバージョンのIBM iでは古いバージョンのWindowsに通信することはできない。
このパターンが多くて企業では古いWindowsをテスト機に残している場合があるので
いっそうこの問題が発生しやすい。
QNTCの障害はSMBのバージョンを検討すべし。