この頭の良い支配人は満室のお客達に向かってこう叫んで
お願いしたのだ。
「お客さまに申し上げます。申し訳ございませんが
すへてのお客さまは今の部屋からひとつ大きい番号のとなりの部屋に
お部屋を移ってください。」
部屋の数は最初の定義のとおり無限個の部屋があるので
すべての客はひとつ隣の部屋に移ることができた。
1号室の客は2号室へ、2号室の客は3号室へ, …という具合だ。
すべての客が移ったときには最初の1号室は当然空き部屋となっているので
新しくやってきたお客はこの1号室に泊まることができたという訳である。
この方法を使うと有限の新しい客がやってきても
何人でも必要な空き部屋を作ることができる。