RPG

273. モジュールは捨てるべし

Visual C++のコンパイル

まず Microsoft の VC++ のコンパイルを見てみよう。

Microsoft VC++ では
.obj はコンパイルの
途中でできる一時的なオブジェクトであり、
プログラムを作成したら
廃棄してしまう。
オブジェクト ( .obj ) はもうプログラムの
内部に含まれてしまっているからである。

ILE-RPG のコンパイル

ILE の *MODULE も同様で
*MODULE はコンパイルの
途中でできる一時的なオブジェクト。

モジュールはプログラムを作成したら

廃棄してしまうが常識。

モジュールを提供していると

モジュールが変わる都度、プログラムの
再コンパイルが必要となってしまう。
サービス・プログラム ( *SRVPGM ) を配布すれば
サービス・プログラム ( *SRVPGM ) の内容が変わっても
プログラムを再コンパイルする必要はない。

要するに CRTRPGMOD でモジュール ( *MODULE ) を一時的に作成したら
次は CRTPGM または CRTSRVPGM で *PGM にするか *SRVPGM を作成する。
その作成が終われば モジュール ( *MODULE ) はもはや不要である。
従ってモジュール ( *MODULE ) は QTEMP に作成することが一般的である。

モジュール ( *MODULE ) をどこかのライブラリーに残しておいて
後でこれを CRTPGM や CRTSRVPGM でバインドすることをゆめゆめ
考えてはいけない。

なぜならモジュール ( *MODULE ) が変われば、そのモジュール ( *MODULE ) を
利用している上位のプログラム ( *PGM ) やサービス・プログラム ( *SRVPGM ) も
すべて再コンパイルが必要となる。
上図で示しているようにモジュール ( *MODULE ) はプログラム ( *PGM ) や
サービス・プログラム ( *SRVPGM ) のオブジェクト内に含まれてしまって
いるからである。

この ILE-RPG の処理構造を正しく理解していないと CRTRPGMOD の都度に
上位の *PGM や *SRVPGM の再コンパイルが必要となり
かなり不便な構造となってしまう。
大抵のユーザーはそこで ILE の構造を調べなおすものだが
中にはこのモジュール配布をソフトウェア製品にしてしまっている
ベンダーもある。
その製品を使うと PTF を適用するとユーザーのほんどのプログラムも
再コンパイルが必要となってしまう。
そこでそのベンダーは決して PTF を配布することができない。

IBM i の i5/OS の PTF を適用するとユーザーのプログラムの再コンパイルが
必要になることはない。
これは IBM が PTF として配布しているのは *PGM および *SRVPGM だけである
からである。
i5/OS の中にモジュールが含まれていることは絶対ない。

モジュールは使ったら捨てる。
これが原則である。