まずクリップボードとは、複数のアプリケーションからアクセス可能なOS内部の
共有メモリーであり、アプリケーション間でデータの転送を行なうことができる。
例えば、文字情報や画像データなどを アプリケーション間でコピー & ペーストできるのも
クリップボード(一時的な記憶域)という仕組みがあるからこそ実現できる。
Windows XP まではクリップボード内にある内容を見る為に、Windows標準ツールである
「クリップボードビューアー」でその中身が確認でき、その内容をファイル(*CLP)にも
保存ができたので、ちょっとした情報を履歴管理するのに便利であったが、
Windows Vista 以降からはWindows 標準ツールとして実装されていないのである。
それは10数年程前になるが、それこそWindows2000以前で低いスペックのPCであれば、
画像データ(ハードコピー)等をコピーしクリップボードにデータが残ったままPCを使用していると、
「メモリ不足」のエラーが頻発したり、PCの動作が不安定になることもあり、最悪の場合それ以降に
コピーした内容が正しくクリップボードに保存されていない状態になり非常に困ったのを覚えている。
非常に大きいデータをクリップボード上に保管しているということは、それだけでメモリを
消費していることになるのでそのデータを削除するのに使用したことがある。
今後、当然 Windows環境でクリップボード機能は残り続けるが、昨今PCも昔に比べれば、
ハイスペックのマシンが当たり前の時代、クリップボードを使用していても昔のようにメモリ等
あまり意識することなく使用でき、メモリ不足が起こるような心配もないので、この先ユーザ自身が
クリップボードのメモリ状況を意識して使用することはないだろう。
正直なところ筆者自身もちょっとした履歴管理、あと上記のような使用方法を除いては
あまりクリップボードビューアーを使用した覚えがない。
また一般のユーザーにはあまり知られておらず、使用されていない機能であるがゆえに、
Windows Vista から標準ツールとして搭載されなくなったのであろう。