実行環境

104. ライブラリー QRPLOBJ

ライブラリー : QRPLOBJ は IBM i のいわば「ごみ箱」のような存在であり
コンパイルや RSTOBJRSTLIB コマンドなどで上書きされた古いオブジェクトが
i5/OS によって自動的に BACKUP されて保管されている。
従ってうっかり RSTLIB やコンパイルで上書きしたオブジェクトも
QRPLOBJ の中を見れば残っているはずなので何か問題があったときに
参照してもらいたい。

Chicago で Excel アップロードを使って Excel ファイルへアップロードしたときも
Chicago によって自動的にライブラリー QRPLOBJ に更新前の状態のファイルが
BACKUP されている。

【例】 DSPLIB QRPLOBJ

QRPLOBJ

ところで自動的に BACKUP を取ってくれるのは、とても便利であるのだが
QRPLOBJ の内容は永遠に残ってしまうのだろうか ?
実は QRPLOBJ は i5/OSの IPL 直後に SCPF というジョブによって消去される。
つまりクリーン・アップされるのである。
それでは 毎日、IPL しないで電源がオンになりっぱなしの企業も多い。
このようなときには QRPLOBJ は残ってしまう。
一度、DSPLIB QRPLOBJ で中身を確認して欲しい。
電源が入れっぱなしでコンパイルを繰返していると 10万個以上のオブジェクトが
存在していても不思議ではない。
となると QRPLOBJ に溜まっているゴミは掃除しないと
HDD (ハード・ディスク)の容量を圧迫する原因になりかねない。
ご存知のように IBM i はディスク使用率が多いとパフォーマンスの低下となる。
従ってたまには IPL するかまたは QRPLOBJ の中を消去してやる必要がある。

QRPLOBJ はオブジェクトの BACUP だけなので中身を消去しても
i5/OS の挙動や実行に影響を与えることはない。
特にソフトウェア・ハウスなどで旧いリリースの IBM i を長年使っている会社では
一度、確認してみることをお勧めする。