実行環境

93. i5OSのPTFをインターネットからダウンロードして適用する方法 (2)

2. 仮想光ディスク記憶へのPTFのマウント

ダウンロードしてきた拡張子.binのファイルは、CD-ROMのイメージファイルである。

本来は、CD-Rにこのイメージファイルを書き込み、
それをIBM iのCD-ROMドライブにセットして使うのであるが、
ここでは、IBM iの「仮想光ディスク記憶」の機能を使い、CD-Rを使わずにPTFを適用する。

@ 仮想光ディスク装置の作成

まず、仮想光ディスク装置を作成する。
以前に仮想光ディスクを使ったことがあり、既に仮想光ディスク装置が存在する場合は、
この手順を実行する必要はない。
このままAに進んでほしい。

仮想光ディスク装置を作るには、*IOSYSCFG権限を持ったユーザー・プロファイルでサインオンし、
以下のコマンドを実行する。
この例では、OPTVRT01という名前の仮想光ディスク装置を作成している。

> CRTDEVOPT DEVD(OPTVRT01) RSRCNAME(*VRT)       
   装置 OPTVRT01 の記述が作成された。           
> VRYCFG CFGOBJ(OPTVRT01) CFGTYPE(*DEV) STATUS(*ON)          
   装置 OPTVRT01 のオンへの構成変更が完了した。
A .binファイルの、IBM iへのアップロード

次に、ダウンロードしてきた.binファイルを、FTPなどを使ってIFS上にアップロードする。
アップロードする場所はどこでも良いが、ここでは、 /PTF/SI45907_1.bin にアップロードするものとする。

B イメージ・カタログ及びイメージ・カタログ項目の作成

仮想光ディスクを使用するには、まず、「イメージ・カタログ」を作成し、
その中に、.binファイルを「イメージ・カタログ項目」として登録することが必要である。
「イメージ・カタログ項目」の項目ひとつひとつが、仮想のCD媒体だと考えてもらえばよい。

下記コマンドでは、まずイメージ・カタログを作成している。

> CRTIMGCLG IMGCLG(PTF) DIR('/IMGCLG/PTF')                          
   イメージ・カタログ PTF がライブラリー QUSRSYS に作成された。

各パラメータの意味は、以下の通り。

IMGCLG(PTF) 「PTF」という名前のイメージ・カタログを作成する。
DIR('/IMGCLG/PTF') /IMGCLG/PTF というディレクトリに、イメージ・カタログの内容を保存する。
このディレクトリは、CRTIMGCLGコマンドが作成するので、存在しなくて良い。

次に、イメージ・カタログ項目を作成する。

> ADDIMGCLGE IMGCLG(PTF) FROMFILE('/PTF/SI45907_1.bin')           
   イメージ・カタログ項目がイメージ・カタログ PTF に追加された。

IMGCLG(PTF) イメージ・カタログ「PTF」にイメージ・カタログ項目を追加する。
FROMFILE('/PTF/SI45907_1.bin') イメージ・カタログ項目の内容は、/PTF/SI45907_1.binから読み込む。

C イメージ・カタログ項目のロード

次に、作成したイメージ・カタログ項目を、仮想光ディスク装置にセット(マウント)する。

> LODIMGCLG IMGCLG(PTF) DEV(OPTVRT01)                           
   イメージ・カタログ PTF が装置 OPTVRT01 にロードされた。      
> LODIMGCLGE IMGCLG(PTF) IMGCLGIDX(*FIRST)           
   イメージ・カタログ項目 1 がマウントされました。 

これで、仮想光ディスクを使う準備が整った。

次回はPTF適用の前に、PTFカバー・レターという注意書きの参照方法を紹介する。