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285. 国際言語対応の開発 (1)

グローバル社会の現在ではインターフェースにも国際化が必要となってきている。
その理由は製造現場としての工場や部品や材料調達が
海外拠点に移ってきているからであろう。

例えば中国やタイなど東南アジアに自社または協力工場を持ち生産拠点を海外に
シフトしている場合であれば、日本の本社に IBM i を設置して
海外からもアクセスが可能になるようにしなければならない。
これは生産指示、経営データの把握、
よりスピーディな材料手配などへの必要性からである。
となれば本社の IBM i も

  • 海外からも本社の IBM i にインターネット接続が可能であること (Web化)
  • 海外の工場や協力会社でもわかりやすいように
    現地の言語のインターフェースを提供できること (国際言語対応)

の二点が重要な要件となってくる。

ところで国際言語対応という要件は
IBM i はおあつらえ向きのサーバーであると言える。
IBM (=国際ビジネス機械) の名前が示すとおり多国籍、世界中に販売している
サーバーであるので国際言語化という観点も早くから行われているはずである。
それでは IBM i は国際言語化にはどのように対応されているのだろうか ?

それは言語別のメッセージ・ファイル (*MSGF) によって対応されている。

日常、我々が i5/OS やユーティリティで目にしているものは
メッセージ・ファイル (*MSGF) によって言語化 (ローカライズ) されている。

例えば WRKOUTQ, WRKQRY などで「QUERY 定義」や「ライブラリー」などの文字列は
実はメッセージ・ファイル (*MSGF) に登録されているものが表示されているに過ぎない。

例えば QSYS2924 (英小文字ライブラリー) を覗いてみると
英小文字としての QCPFMSG, QQRYMSG, QRPGMSG などが用意されている。
私達が毎日、使用している QSYS の代わりに QSYS2924 を使えば
英小文字がメッセージとして表示されるというわけである。

私達が IBM i を使用するに当たって国際言語化を考えるのであれば
IBM がやっているように MSGF によって国際言語をサポートする、というのが
自然であろう。

次からはその具体的な方法を紹介する。