このツールを導入すると 5250画面が HTMLに変身します、
というだけの単純なWebフェーシング・ツールでは
間違いなく失敗してあなたの会社での評価は下がるだろう。
5250画面を HTMLに置換えたただけなら
つまり今までと同じである。同じであるだけならまだしも次のような深刻な問題が発生してくる。
ともかく大半のWebフェーシング・ツールは Xボタンや戻るボタンに対応していない。
そのため画面遷移の不一致(戻るボタン)やジョブの宙ブラリンの前残り(Xボタン)が発生する。
Webフェーシング・ツールを使ってみてブラウザのメニュー・バーやツール・バーが見えない、隠されているなら
そのメーカーは間違いなくXボタン戻るボタン問題をユーザーに隠そうとしていると見て間違いない。
中には Xボタンを押せば 30分後にはジョブは消滅します、といった説明がある輸入品もあるが
30分後ではレコード・ロックは 30分後にしか解放されないのだ。
これは対応していないのと同じである。
Web化するとクライアントには装置情報はないので
装置名を指定して IBM i に接続することができなくなる。
中には別モジュールで仮想的な装置名を使えるものもあるが根本的な解決ではない。
購入して初めて判明する問題のひとつとして顕著なものが
PCオーガナイザー(STRPCO
) が使えない、というものである。
これも販売している特約店やディーラーはこのことに触れない場合が多い。
罫線表示は国内では多用しているユーザーが多いが海外では画面罫線はほとんど
使わない。画面罫線はおおよそ日本だけの事情であるので海外製品では対応していない。
また海外製品でのHTMLはかなり複雑であるので画面罫線への対応は困難である。
ToolBox による画面罫線の表示は日本だけと思ってほぼ間違いない。
したがって海外製品では画面罫線は使えない。
参考までに海外製品が表示しているHTMLは非常に複雑で重い。
これに画面罫線を組み合わせるのは至難の業であるので
将来的にも罫線がサポートされる可能性はかなり低い。
メニューを選択して下位のメニューに進んでいくと
慣れないときは自分がどの位置にしているのかわからなくなってしまう。
これはそのメニューの開発者自身でも混乱する場合がある。
適用業務画面で機能キーを押すと次々と画面が展開されていく業務があるが
これもわかりにくくてストレスの原因となる。
コード検索をしただけなのにコード検索画面が全画面モードで表示されてしまって
以前の画面は消えてしまうのもある。
5250画面をそのまま HTMLにしただけの Webフェーシングの場合は、
画面遷移によるストレスは何一つ解決されない。
よく海外製品であるのが「メニュー番号をボタン化してクリックして選択する」という GUI化であるが
そのようなものなら PCOMM のホット・スポット機能で十分、実現することができる。
Webの世界で 5250のようなメニューを見たことがあるだろうか ?
Web では番号を選んで選択する、といったメニューと呼ばれるコントロールは存在しないのである。
5250が HTMLになっただけでは何一つ解決されない。
ストレスは解決されないばかりか、Xボタン問題、戻るボタン問題, .... の問題のほうが深刻なので
システム室が海外輸入の Webフェーシング・ツールは買ったものの使うのを諦めるケースが
ほとんどであり大勢を占めている。
情報拡大についてはカスタマイズできる Webフェーシング・ツールもかつてはあったが
という理由でこれも高価な買い物となっているようである。