Webフェーシングを考える前の基礎知識として TELNET を紹介しよう。
TELNET とは TCP/IPユーティリティーのひとつであり、
WellKnown PORT (よく知られているポート番号) として
23番を PORT番号として使っているエミュレータである。
Ftp や Httpと並ぶ、TCP/IPユーティリティーのひとつである。
TELNET は UNIX や Linux などで使用されるのが一般的であるが
IBM i でもPORT 23番を 5250エミュレータというか TELNET のPORTとして割り当てている。
英語を一次言語としているIBM i であれば Windows のTELNET を起動して
DOSコマンド・プロンプト画面より
を打鍵するとお馴染みのサイン・オン画面が現れてサイン・オンすると
IBM i のメニューが表示されるはずである。
ただし最近のWindows は Telnetクライアントは必ずしも初めから
プレ・インストールされているわけではないので
コントロール・パネルから Windows の Telnet のインストールを指示しなければならない場合もある。
5250エミュレータも広義の意味で TELNETの一種であると考えることができる。
事実、TELNET のPORT=23 でIBM i に接続すると IBM i の 5250画面が TELNET として動作する。
TELNET クライアントを見ると TELNET が 5250エミュレータの代わりに使えそうな気もする。
事実、海外のフリー・ソフトでは IBM i に接続可能な
TELNETクライアントのソフトウェアが公開されているものもある。
見かけは 5250エミュレータとそっくりな TELNET は、そのままPCOMM の代わりに使えそうに見えるが
残念ながら実用的に使用することはできない。
それは TELNET ではフィールドの属性がわからないからである。
何やら入力フィールドあることはわかっても、TELNETではそれが数字フィールドなのか
文字フィールドであるのかは一切、不明なのだ。
漢字ONLY のフィールドに数字も入力することができてしまうし、金額欄に人名も入力できてしまうので
当然、業務としては使用することができない。
ところがTELNETクライアント自身は TCP/IPユーティリティーのひとつであるので、
その仕様とソースは広く世界に普及している。
そこでTELNET クライアントを改造してHTMLに変換すれば Webフェーシングのできあがり、
というかなり乱暴なソフトウェア品ができてしまう。
海外製品の当初の多くはその方法でWebフェーシングと称している。
サーバーはIBM i でなくてもFACOM でも NEC でもよい、という製品は間違いなくTELNETクライアントである。
TELNETクライアントを使うことは先にも説明したように入力妥当性検査は保証されない。
そこで各画面毎に販売店のSE がやってきてDDSソースを見ながら、
画面毎に入力妥当性検査を独自のスクリプト等で
入力妥当性検査を定義する、という気の遠くなるような単調な仕事を行う。
SI でその販売業者に頼むのではないのなら購買したユーザーが
この気の遠くなるような作業をコツコツとやらなければならない。
今までは5250エミュレータが自動で行っていた機能を
購買したあなたの会社で莫大な時間をかけて行わなければならない。
何とも理不尽で話にならないが、これは事実である。
もちろん輸入販売業者は不利になることは一切、言わないので購入前に知る由もないが
そのような輸入販売業者には良心や誠意を感じることはできない。